姫島・豊後大野合同ジオパーク学習に同行しました2日目
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こんにちは、運営事務局のきなこもちです。
前回ブログ記事で更新したジオパーク学習1日目は、姫島村内をバスで回り陸からの学習を行いました。2日目は、姫島村営フェリーを使いジオクルーズを行います。今度は海から姫島の周りを探索します。フェリーを使って姫島を一周するのは、自分も初めての体験です。クルーズ体験の中で生徒たちは出題されたクイズにチャレンジします。
ジオクルーズ当日は朝の8時30分からフェリーが出航です。姫島のフェリーは普段伊美港に向かうため右前方に進むのですが、今回はジオクルーズという事で姫島を左回りで進み少し違和感がありました。
今回、ジオクルーズの説明をしてくださるのは、おおいた姫島ジオパーク推進協議会 専門員 の堀内悠さんです。おおいた姫島ジオパークに関してかなり詳しい方です。
港を出てすぐに姫島の大部分が見えるようになりました。まずは目に入るのが姫島村で一番標高の高い山、矢筈岳(やはずだけ)です。標高は約267メートルで、頂上に上ると展望台から瀬戸内海を一望できます。
堀内さんより、矢筈岳について説明があり、その中で中條石太郎さんという方が矢筈岳に植林したという説明がありました。中條石太郎さんという方が気になったので後日検索を行うと、「魚付林」という内容がでてきました。検索した内容によると、現在の姫島村は海だけでなく緑豊かですが、昔は燃料にするために木を伐採しすぎてしまい魚が住めるような環境ではなかったそうです。そんな中、中條石太郎さんという方が10万本の苗木を姫島に寄付し、育てた事で徐々に魚が戻って来るようになり、姫島を別名「緑の島」とよばれるほどに繁茂させたという記録があります。この事を魚付林と言い、魚付林の活動はここ姫島が日本では初めての実践という事でした。調べていくうちに、この方の存在があって今の暮らしが有る事が実感できました。
前回のジオクルーズの時に海を泳ぐ猪が居たそうで今回もいるかもしれないと言うお話がありました。残念ながら今回は写真の通り穏やかな海しか確認できませんでした。猪は意外と泳ぐの得意なんですね。
少し船が進んでいくと矢筈岳のふもとあたりに長い年月をかけて海に浸食された鷹の巣という場所が見えてきます。ここには絶滅危惧Ⅱ類に指定されているハヤブサが生息しています。ハヤブサを何度か見たことは有りますが急降下するときの速度は迫力が有ります。子供たちも飛んでいるハヤブサを探していましたが、確認は出来ませんでした。
もう少し進んでいくと、前回記事で紹介した大海地区のコンボリュートラミナが確認出来ます。細かい地層は見えませんが、海上から見ることで地層全体の大きさを改めて確認することが出来ました。
さらに進んでいくと稲積地区の端に到着します。ここは大分県の最北端に位置している場所です。ここには姫島七不思議のひとつ阿弥陀牡蠣(あみだがき)の海食洞を確認する事が出来ます。上にある灯台は明治時代に作られたものです。ひときわ目立つ飛び出した岩は柱岳といわれ長い年月をかけて岩が海に削られた物と堀内さんより説明がされていました。この場所は海鳥も多く生息しており、ジオクルーズでも見どころのスポットだと思います。
子供達も、意見を交わしながら海食洞を確認してメモを取ったりしていました。
フェリーが進み稲積地区、金地区あたりに来ると姫島越しに国東半島を確認する事が出来ます。この日はうっすらとしか確認する事が出来ませんでしたが、空気の澄んだ日には姫島の間に有る国東半島が一つの島の様に見えます。
さらに進んでいくと、前回の記事でも取り上げた観音崎が見えてきます。海上から観音崎の全体を確認する事ができます。中央部分がへこんでいることから火口の跡地であるという事が分かりやすかったです。黒曜石は左部分の一部だけらしくその量も少ないという説明を受けました。晴れの日では黒曜石が綺麗に見れるのかもしれませんね。
先に進んでいくと洲鼻地区に来ます、ここではナウマンゾウというゾウの化石や藍鉄鋼(らんてっこう)などが発掘されています。藍鉄鋼は大分県の天然記念物に指定されています。
このジオクルーズ体験では生徒たちにクイズが出されており、港に戻るまでに答え合わせを行っていました。
出発した港が見えてきて来ました。先生によるとあとは離島センター「やはず」に戻り、学習したことを振り返るとの事です。
離島センター「やはず」に戻ったあとは各班に分かれそれぞれ学んだ事をまとめていました。各班にはお題が出されており付箋を使って発表の準備をしていました。
少し内容を確認してみましたが、宣伝としてyoutubeを使って広めようという色々なアイディアが出ていました。自分たちの子供のころには動画配信サイトなどを使ってという意見は出なかったのに時代を感じます。IT技術の進化に伴って子供達もネット環境を使い色々なサービスを使っているようです。
次に付箋でまとめた物をみんなの前で発表です。各班出されたお題の内容を発表していました。
これで2日間のジオパーク学習は終わりとなりました。フェリーに乗る際には姫島小学校の生徒が百枝小学校に生徒で手を振りながらお別れしました。
今回の学習に同行したことで、社会人である自分も多くの事を学び、さらに姫島の魅力を感じる事が出来ました。