伊井 誉思香さん

2年前に姫島にIターン移住し、現在は「姫島エコツーリズム」でエコカーのレンタル事業や観光案内をされている伊井 誉思香（いい　よしか）さんに、姫島出身のスタッフがインタビューしました。

伊井さんの普段のお仕事について教えてください。

普段は、エコカーのレンタル受付を主に担当しています。エコツーリズム推進協議会の事業なので、観光やエコ関連の会議に出席したりもします。

2年前に姫島にIターンで移住されていますが、姫島に移住する前は、どこで何をされていましたか？

韓国の大学に通っていました。

韓国ですか！韓国の大学に行こうと思われたきっかけはなんですか？

中学生のときに先生から「人と違うことをしなさい」と言われたことがきっかけです。人と同じことをしていても、今からの時代は幸せになれないと。それから親戚や友人の影響もあって「じゃあ、国内に行きたいところもないし、海外に行きたいな」と思いました。

高校を卒業してそのまま韓国に留学されたということですよね。ちなみに韓国に行ったとき、韓国語はどれくらい話せたんでしょうか？

「あいうえお」だけ分かるくらいで話したりは全然できない状態で、韓国に行きました。行ったらまず語学学校で韓国語を勉強するし大丈夫だろうと楽観的に考えていたんですけど、授業は韓国語で。笑

え！韓国語の授業が、韓国語で行われるということですか？

そうなんです。もうわけがわからなかったですね。毎日泣きながらなんとか勉強していました。

話せなくてもなんとかなる、というかなんとかする、という強い気持ちを感じますね。

負けず嫌いなんです。笑

小さい頃から、両親に「環境のせいにするな、難しい環境でも実績を残せてこそ本物だ！」と教えられてきたので、「できないことを環境のせいにしない」ことは常に意識してきました。勉強していくうちに外国語って耳が慣れると話せるようになってくるな、と気づいたんです。なので、どんどん現地の人に話しかけて会話をするようにしていました。

素晴らしいですね！ちなみに大学ではどのようなことを学ばれていたんですか？

心理学や、コーチングについて学んでいました。相談を受ける人に対してやる気を引き出すためのスキルを学びました。

そうなんですね。その分野を学ぼうと思われたきっかけがあれば教えてください。

語学学校の時に大学のダンスサークルに入っていたんですが、そこでの経験が大きなきっかけですね。そのサークルでは心理学で学ぶ「やる気を出すためのイメージトレーニング」を実践していて、それで練習をして大会に出たんです。そうしたら、イメージ通りのパフォーマンスができて、結果優勝することができたんです。国内でも有名な大会なのに、イメトレでこんなに実績が残せるってすごい！と思いました。そこから、夢の叶え方を教えるビジョンコーチという仕事に憧れて、心理学・コーチングを学ぼうと思いました。

そこから、姫島に来ようと思ったのはどうしてでしょう？

大学院にも行ってみたいし観光にも興味があるし、と進路を迷っていたときに、知人から「こんな募集があるよ」と教えてもらったのが、今のエコツーリズムの仕事だったんです。その時は面白そうだから、旅行がてら説明を聞きに行ってみようかな、という気軽な気持ちで姫島を訪問してみることにしました。そうしたらすれ違う人皆が挨拶をしてくれたり、全員が知り合いで家族のような雰囲気で、私も家族になりたい！と思いました。それで、観光のお仕事募集だったこともあり、姫島には他所の自分だからこそお手伝いできることがあるなと思って決めました。

姫島でやりたいことをかなえるために、やりたいことを書き出してどんどん実践してます！

たくさんの取り組みをされている裏には、そんな経験があったんですね！実際Iターンをしてみて、姫島での感想はどうですか？

毎日がすごく楽しいですね！島の皆さんがとても良くして下さるおかげです。

仕事面でも、お店の前に出している看板をちょっと書き変えたり、新商品を一つ増やしたりするだけでお客さんが来てくれて、反応があるのが楽しいです。１年前からキツネ踊りとたぬき踊りのお面を作っているんですけど、島の内外から喜びの声を頂けて私もすごく嬉しいです。

あと、姫島の人もほんとうに良くしてくれて、家族みたいに本音で言い合える存在になっているなって思います。

家族みたいなんですね。移住って、村八分とか（笑）、実際行ってみたら溶け込めなくて…とか、そういう話もありますよね。ましてや離島に来るって、結構覚悟がいるんじゃないかなって思うんですが…。

その辺は事前にネットで情報収集しました。ネット情報だと簡単には馴染めないだろうな、頑張らないとな、という印象は持ってました。実際に住んでみると、こんなに家族みたいに扱ってもらえて、びっくりしています。姫島ってほんとに仲間外れとかないというか、「家族」なんですよね。

確かに人間関係の距離は近いですよね。

よそだったら、他人と喧嘩なんて2回くらいしたらもう縁がきれるんじゃないかな？と思うんですけど、姫島だとそれでも関係は続いていくし、なんだかんだ仲直りしてしまう。そういうところが家族だなって思います。

姫島に住んでいる人って、それが普通になってしまっているから、気づけないんですよね。わたしもそう言われてみて、初めて「そうなんだ！」と思いました。その「家族」にたどりつくのって簡単ではないと思うのですが、何か成功の秘訣というか、心がけたことなどありましたか？

最初はやっぱり馴染めないこともあって、でも自分で、何があってもやり遂げる！と決めていたので、どうやったら受け入れてもらえるだろう？って考えるようにしてました。海外だったら、言葉が通じるということでかなり親近感を持ってもらえた。じゃあ、姫島の方言を覚えよう！という風に、どうやったらできるかな？って、ずっと考えてましたね。

素晴らしいですね。そんな伊井さんだから、壁があってもめげずにやってくることが出来たんですね。今も姫島のために沢山の取り組みをされている伊井さんですが、これから姫島でやってみたいことがあれば教えてください。

姫島には盆踊りという魅力的な伝統文化があるので、それを広めるために何かしらの特集をしてみたいなと思っています。あと、移住本を作って出版したいです！移住したい方に向けての情報というより、自分が移住してみて感じたことをストーリーにしたいなと思っています。

いいですね！姫島の生活がより身近に感じられる本になりそうですね。まだまだやってみたいことは沢山ありそうですね。

そうなんです。

あと、姫島の観光に携わっている身として、やっぱりリピーターを増やすための活動はしていきたいですね。何かしら色々企画はしたくて、考えてます。

例えばどんな企画を構想されてますか？

オリエンテーリング形式の島内ツアーを開催してみたいなと思っています。そのツールとしてエコカーも使っていただけたら。あとはインスタ映えのスポットを作ったりとか、姫島に来てくれた方の満足度を上げられるコンテンツを作りたいなと思ってます！

まだまだ出てきそうですね！それでは最後に、姫島で働いてみたい方、リモートワークに興味のある方へのメッセージをお願いします。

姫島にIターンしてみたい方がいらっしゃったら、私の体験談をお話したり相談に乗ったりできると思いますので、いつでもお立ち寄りください！

エコツーリズムさんの宣伝もどうぞ！

フェリー乗り場目の前にWiFiが使えるカフェあります。エコカーもレンタルできます。お面の絵付け体験とかもできます。店舗内はフリースペースとしても使っていただけるので、ぜひ姫島にお越しの際はお立ち寄りください！島民の方ももちろん大歓迎です！

あと、姫島の人でハンドメイド商品とか置いてみたい方、販売スペースご用意できるので、是非持ってきてください！さっき言った、お面の絵付けを担当してくれる内職の方も募集してます。

ありがとうございました！

姫島エコツーリズム